ハトムギ

 

ハトムギは、南アジアを原産とするイネ科の植物です。

 

ハトムギの殻などを取り除いて乾燥させたものは「ヨクイニン」と呼ばれ、

古くから漢方の生薬として使われていたという歴史があります

 

中国では、歴史家の司馬遷が書いた書物「史記に、

ハトムギについての記述があるそうです

美容に良いことも知られていて、

世界三大美女の一人・楊貴妃が

美しさを保つために愛用していたとも伝えられています

 

日本には江戸時代に中国から薬用として持ち込まれました。

本草学者の貝原益軒による「大和本草(やまとほんぞう)」には、

ニキビにはハトムギを煎じて飲む」と書かれていて、

民間療法の薬などとして親しまれていたようです

 

全国で栽培されるようになったのは1980年代に入ってから。

健康志向の高まりもあり、広く知られるようになりました

 

現在も各地で作られていますが、

北陸も産地の一つで、富山県では、氷見市、高岡市、小矢部市など

石川県では、羽咋市、能美市、宝達志水町などで栽培されています

 

そんなハトムギは、「穀物の王様と呼ばれるほど、栄養たっぷりです

精米と比べると、良質なアミノ酸でできたタンパク質は2倍以上

食物繊維はおよそ8倍も含んでいます

ほかに、脂質やカルシウム、カリウム、鉄、ビタミンB1、B2なども豊富です

 

働きとしては、利尿作用に優れていて、

体内にたまった余分な水分や老廃物の排出を促し、

新陳代謝を活発にするのを助けます

 

肌の代謝も高まり、

ニキビやシミ、イボなどの治りを早めてくれるともいわれています

 

ハトムギを摂取する方法として最も手軽なのは、お茶です。

ハトムギ茶としてティーパックやペットボトルなどで

販売されていますので、ぜひ試してみてください

そのほかに、

ご飯に混ぜて炊く方法やお菓子の材料に使う方法などもあります。

 

さらに

ハトムギは医薬品やサプリメント、化粧品などにも利用されていて、

ヨクイニンが配合された漢方薬、ハトムギエキスの入った化粧水など、

さまざまな形で親しまれています

 

※この内容は2020年9月に放送されたものです

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気象病

 

天気の変化によって、

「頭が痛い」「関節が痛む」「体がだるい」など、

体の不調を感じることってありませんか

 

気圧や気温、湿度など

気象条件の変化によって起きる体の不調を「気象病」といいます。

 

これは正式な病名ではありませんが、

天気と体調には深い関わりがあるといわれ、近年、研究が進んでいます

 

気象病の主な原因は、気圧の変化だといわれています。

耳の奥には内耳という器官があり、

耳で受けた音を電気信号に変換して、脳や神経に伝える役割を担っています

 

最近の研究で、

その内耳に気圧の変化を感じるセンサーがあることが分かってきたのです

 

ただ、

このセンサーの感じ方には個人差があり、

気象病になる人は、なんらかの原因でセンサーが敏感なため、

わずかな気圧の変化でも脳に過剰な情報が伝わってしまいます

 

その結果、自律神経のバランスが崩れて

さまざまな不調が起きると考えられています

 

気象病が起こりやすいのは、

が降るときや、台風が接近するとき

冬場に低気圧が通過し、雪が降るときなど、

天気の変化が大きいときです

 

また、乗り物酔いをしやすいなど

内耳のセンサーが敏感な人や、自律神経の働きが低下している人は、

気象病になりやすいといわれています

 

このような気象病を防ぐには、

まず、自律神経を整えることが重要です

 

バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を基本に、

規則正しい生活を心がけましょう

 

また、内耳の血流をよくすることも予防になります

耳を軽くつまんで引っ張ったり回したりしてマッサージをするといいそうです

 

それから、

体が冷えると血流が悪くなって不調が起きやすくなるといわれていますので、

体を温めて冷やさないようにすることも大切です

 

気象病には

痛み、めまい、狭心症、低血圧、ぜんそく、うつ病など

様々な症状が含まれるといわれています。

 

「もしかしたら気象病かもしれない」と思ったら、

耳鼻科や神経内科などを受診してみてください

 

※この内容は2020年8月に放送されたものです

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卵による食中毒の対策法

 

8月に入りました。

 

高温多湿のこの時期は、

細菌による食中毒が一年を通して最も多く発生します

 

細菌による食中毒は、食べ物と一緒に細菌が口に入り、

さまざまな毒素を作り出したりすることで、

下痢や腹痛、発熱、倦怠感などの症状を引き起こします

 

この時期、食中毒を起こしやすい食材の一つが「」です。

卵が原因の食中毒は、サルモネラ菌によるものがほとんどです。

 

サルモネラ菌は、鶏、豚、牛など動物の腸の中や、

河川、下水道など自然界に広く生息する細菌です

そのため、から食中毒が発生します

 

栄養価の高い卵ですが、適切に取り扱わないと、

サルモネラ菌が増殖する格好の環境になってしまうのです

 

卵による食中毒を防ぐには、

まず、卵を買うときは、表面にひび割れのない新鮮なものを選びましょう

賞味期限などが表示されている場合は、日付も確認してください

持ち帰った卵は、すぐに冷蔵庫に入れましょう。

保存の温度は、10度以下が目安です

 

次に、卵を使うときは、料理に必要な分だけ

使う直前に割ってすぐに調理を始めましょう。

割ったまま放置する細菌が増殖してしまいますので、

途中でやめるときは冷蔵庫に入れてください

 

調理をするときは、黄身も白身もかたくなるまで十分に加熱しましょう

ゆで卵をつくるときは、5分以上加熱するようにしてください

 

注意したいのは、自家製マヨネーズです。

自家製マヨネーズは、卵を加熱せず使うことや、

市販のものに比べて酢の配合割合が低いことなどから、

食中毒が起きやすいといわれていますので、

その日のうちに食べきるようにしましょう

 

調理した卵は、なるべく早く食べるのが基本です

卵かけご飯、すき焼きなど、生のまま食べる場合は、

殻にひびが入ったものは使わず賞味期限内であることを確認し、

食べる直前に割るようにしてください。

 

なお、乳幼児や妊娠中の女性、高齢者、

免疫機能が低下している方などに対しては、

生卵は避けて十分に加熱した料理を提供するようにしましょう

 

※この内容は2020年8月に放送されたものです

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の歴史は古く、

日本では縄文時代の遺跡から種が見つかっています

 

本格的な栽培が始まったのは明治時代

中国から新しい品種が導入されるようになり、

それを改良したものが、現在一般的に流通している桃の原型になっているそうです

 

桃の品種はたくさんありますが、大きく分けると、

果肉の白い「白桃(はくとう)」と

黄色い「黄桃(おうとう)」に分けられます

 

主な産地は、山梨県、福島県、長野県

旬は、種類によりますが、7月から9月にかけてです

 

そんな桃の主成分は「果糖」です。

果糖は果物などに多く含まれる糖分で、砂糖よりも強い甘みがあります

 

ブドウ糖や砂糖に比べて代謝が早く

すばやくエネルギーになるため、疲労回復に役立ちます

 

ほかにもペクチンなどの食物繊維、ビタミンE、カリウム、

鉄分、マグネシウムなどが含まれています。

 

桃は皮をむいてから食べるのが一般的ですが、

実はこの皮の部分にも栄養がたっぷり詰まっています

 

そのため、表面のうぶ毛を洗い落として皮ごと食べれば、

より多くの栄養を取ることができます

 

皮を食べるのに抵抗がある方は、

皮ごと絞ってジュースにするといいでしょう

 

また、桃は葉っぱも栄養豊富で、

タンニンやマグネシウム、カリウムなどを含んでいます。

 

葉っぱはあせも湿疹日焼けなどの対策に良いとされ、

日本では江戸時代から、夏の土用に、

桃の葉を入れた「桃湯(ももゆ)」に入る習慣が受け継がれています

 

では、桃の選び方です。

おいしい桃を選ぶときは、鮮やかな赤色で、

甘い香りがするものがおすすめです

 

桃には縦に伸びる割れ目がありますが、

この割れ目を中心として、左右対称のものが良い桃です。

大きさは、一般的に大きめのほうがおいしいとされています

 

桃の食べ頃は、お尻の部分の青みが抜けて白っぽくなってからです。

熟していないものは、一つずつ新聞紙などで包んで、常温で追熟させていきます。

 

食べるときは、冷やしすぎると味が落ちてしまいますので、

食べる2~3時間前に冷蔵に入れるのがおすすめです

 

※この内容は2020年7月に放送されたものです

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