耳の日
3月3日は「耳の日」です。
難聴と言語障害を持つ人々の悩みを少しでも解決したいという、
社会福祉への願いから、
日本耳鼻咽喉科学会が1956年に制定しました
今日はその耳の健康について、
今、世界的に問題視されている
「スマホ難聴」についてお伝えします
スマートフォンや音楽プレイヤーで
いつでもどこでも音楽を楽しめるようになり、
街中でイヤホンやヘッドホンをして歩く人の姿が増えています。
しかし、イヤホンやヘッドホンの場合、
耳の中に直接、音が入ってくるため、
大音量で聴いたり、長時間聴き続けたりすると、
難聴になる恐れがあります
音は耳に入ると鼓膜を振動させ、
さらに、その奥にある、蝸牛(かぎゅう)という
カタツムリのような形をした器官に伝わります
そして、蝸牛で音が電気信号に変換されて、
聴神経を通って脳に伝達されます。
スマホ難聴は、
このうちの蝸牛に障害が起きることで発症するとされています
蝸牛の中には、
音を感じる「有毛(ゆうもう)細胞」という細胞がありますが、
この有毛細胞が加齢や大音量などで傷つき、
壊れてしまうと音を感じにくくなります
壊れる前であれば、安静にすることでやがて回復しますが、
完全に壊れてしまうと元には戻りません
スマートフォンは広く普及していますので、
スマホ難聴は、若者だけでなく、中高年にとっても大きな問題です
加齢に伴って聞こえが悪くなる加齢性難聴は、
有毛細胞が加齢とともに壊れていくことが原因とされていますが、
症状を進行させる要因の1つに、
スマートフォンなどによる大音量も挙げられています
スマホ難聴の対策としては、
スマートフォンで音楽などを聴くとき、
「音量を下げる」「時間を制限する」「休憩を挟む」
といったことを心がけてください
機種によっては最大音量を制限できるものもありますので、
こういった機能を活用するのもいいでしょう
このほか、耳の健康を守るためには、
ストレスをためない、バランスのよい食事、適度な運動、良質な睡眠なども重要です
さらに、年に1回は聴力検査を受けて、
耳の状態を確認しておくとより安心です
※この内容は2020年3月に放送されたものです
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アルプモーニングスマイル
パーソナリティー 秋本 和美
毎週月曜~金曜 朝8時15分~8時20分
MROラジオ・KNBラジオで放送中!
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新型栄養失調
戦中、戦後に多く見られた栄養失調は、
食糧難による摂取カロリーの不足が原因でしたが、
新型栄養失調は、
血液中のタンパク質の一種である
「血清(けっせい)アルブミン」の量が減ることで起きる栄養失調です。
70歳以上の5人に1人がこの新型栄養失調の可能性があり、
さらに若い女性にも増えていると言われています
タンパク質は、筋肉や内臓などさまざまな組織を作る材料になります。
血液中のタンパク質の6割を占めるのが血清アルブミンで、
主に栄養を運ぶ役割を担っています。
食事でタンパク質を十分に摂らないと、
血清アルブミンも少なくなるため、新型栄養失調になります
さらに
筋肉の衰えにより転倒や骨折しやすくなったり、
免疫力が低下して感染症にかかりやすくなったり、
心臓病や脳卒中を発症しやすくなったりします
これらは寝たきりの原因にもなるため、
要介護状態に陥るリスクも高まります
新型栄養失調になる原因は、高齢者の場合は、
まず、加齢とともに筋肉や骨が減少したり、
免疫力や食欲が落ちてきたりすることがあげられます。
また、「健康のためには粗食がいい」「肥満が気になるから肉類を控える」
「コレステロール値が高いから卵は食べない」など、
健康や食事についての間違った思い込みにより、
タンパク質が不足してしまうことも一因と言われています
若い女性の場合は、ダイエットや美容のために、
サラダやスムージーだけなど、偏った食生活によって
新型栄養失調になる人が増えていると言われています
このような新型栄養失調を防ぐには、
肉や魚、卵、牛乳、豆類などのタンパク質をしっかり摂ることが重要です
ただし、「魚だけ」「肉だけ」「豆類だけ」など
1つの食品に偏るのではなく、できるだけ
多くの食品を組み合わせて食べるようにするのがポイントです
高齢になるとあっさりしたものを好んで、
お肉を避ける傾向がありますが、
お肉も適度に食べるようにしてください
※この内容は2020年2月に放送されたものです
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パーソナリティー 秋本 和美
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糖質
糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたもので、
私たちの体のエネルギー源になる栄養素です。
化学構造の違いによって、単糖類、二糖類、多糖類に分けられ、
単糖類にはブドウ糖や果物に多く含まれる果糖など、
二糖類には砂糖の主成分であるショ糖や麦芽糖など、
多糖類にはデンプンなどが含まれます。
砂糖をはじめとした甘いものだけでなく、
ご飯やパン、イモなども糖質の仲間です
炭水化物のうち、
食物繊維は私たちの体の中では消化できないため、
そのまま大腸に運ばれて排出されてしまいますが、
糖質は体内で分解されてブドウ糖の形になり、小腸で吸収されます。
吸収されたブドウ糖の一部は、肝臓に送られて蓄えられ、
それ以外は血液に乗って全身に送られます
そして、脳や筋肉でエネルギー源として使われたり、
筋肉や脂肪組織に蓄えられたりします。
糖質によるエネルギーは、
脂質などに比べて分解、吸収が速く、
即効性が高いのが特徴です
そのため、ウオーキングやマラソンなど長時間の運動には、
主に脂質からのエネルギーが使われますが、
短距離走のように短時間の激しい運動には、
糖質からのエネルギーが使われます
また、脳では血液中の糖質が主なエネルギー源になるため、
糖質をきちんと摂らないと脳は働きません
このように
糖質は私たちの体に欠かせない栄養素ですが、
摂りすぎても控えすぎてもよくありません。
摂りすぎると、エネルギーとして使われずに余ってしまい、
中性脂肪が蓄積して肥満になったり、
ブドウ糖が増えて食後の血糖値が上がったりします。
反対に、控えすぎると、栄養不足に陥ったり、
筋力が低下したりすることがあります
最近、糖質制限、糖質オフといった言葉を
よく耳にするようになり、
糖質制限によるダイエットなども注目されていますが、
糖質制限は本来、糖尿病や肥満の治療のために
医師の指導のもとで行うものです。
極端に制限すると、体に不調が出ることもありますので、
糖質の特徴や働きを正しく理解したうえで、
適切に摂取することが大切です
※この内容は2020年2月に放送されたものです
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パーソナリティー 秋本 和美
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痛風
痛風は、尿酸が関節や腎臓の中にたまり、
それが結晶となって留まることで、
関節に激しい痛みが生じる病気です。
尿酸は、プリン体が分解されてできる老廃物です
プリン体は、プリン体を多く含む食べ物を摂り過ぎたり、
激しい運動をしたりすることで、
体の中に少しずつたまっていき、分解されると尿酸になります。
体内の尿酸の量はほぼ一定に保たれていて、
一日に作られた尿酸とほぼ同じ量が毎日排せつされています。
ところが、何らかの原因で尿酸の量が増えると、高尿酸血症になります。
そうすると、たまった尿酸が結晶となって、痛風を発症します
痛風になると、突然、
足の親指の付け根が赤く腫れて痛くなる発作が起こります
この痛みは「風が吹いても痛い」というほどの激痛で、
病名の由来になったといわれています。
通常、24時間以内に痛みのピークを迎え、
その後1~2週間で自然に消えていきます。
そのまま放置すると、
手足の関節などに尿酸塩の結晶ができてコブのように腫れる
「痛風結節(けっせつ)」ができることがあります。
また、尿酸塩が腎臓にたまると腎機能が低下したり、
尿酸値が高くなると尿路結石ができることもあります。
痛風は30代から50代の男性に多く見られます。
特に肥満体質の人、食べ過ぎ、飲み過ぎの人、ストレスが多い人、
激しい運動をしている人などに起こりやすいといわれています。
遺伝的な影響は大きくはないものの、
痛風の親を持つ子どもは痛風になりやすい傾向があるそうです
治療は、発作が起きたときは鎮痛薬を使って痛みを抑え、
発作が収まったら血中の尿酸値を下げる薬を服用します
あわせて、
食生活や運動など生活習慣を改善していきます。
食事面では、
プリン体の多い食べ物を控えるようにしましょう。
プリン体は、
エビやイワシ、カツオ節、レバー、白子などに多く含まれています。
お酒の飲み過ぎもよくありません
1合程度の適量を守りましょう
運動は、ウオーキングや軽いジョギングなどゆるやかな運動がおすすめです
※この内容は2020年1月に放送されたものです
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