薬膳の考え方を生かした食材の選び方

 

薬膳は、病気の予防と回復、そして健康を保つために、

中国伝統の医学である「中医学(ちゅういがく)理論」に基づいて

作られた食事のことをいいます。

 

薬膳ときくと、

漢方の生薬や薬草などを使った料理をイメージする方が多いかもしれませんが、

あくまで季節や食べる人の体調に合わせて作るもので、

必ずしも特別な食材を使うわけではありません

 

身近な食材を使っていても、中医学理論に沿っていれば、

薬膳と呼ぶことができるそうです

そのため、日々の食事に薬膳の考え方を取り入れることもできます

 

普段の食事にも生かせそうな薬膳の考え方に、

五性(ごせい)」と「五味(ごみ)」があります。

 

五性は、「体を温める」「冷やす」といった

食材の性質によって5つに分類したもので、

体を温める「熱性(ねっせい)」「温性(おんせい)」と、

体を冷やす「寒性(かんせい)」「涼性(りょうせい)」

どちらにも属さない「平性(へいせい)」に分けられます。

 

熱性、温性は、寒い地域で取れるもの、冬が旬のものが多く、

代表的な食材として、ショウガやネギ、ニンニクが挙げられます。

 

寒性、涼性は、熱い地域で取れるもの、夏が旬のものが多く、

トマトやゴーヤー、豆腐などが代表的です。

 

五性の考え方では、暑い時期は寒性、涼性、

寒い時期は熱性、温性の食材を選ぶと良いということになります

 

一方、五味は、

「甘い」「酸っぱい」といった味によって5つに分類したもので、

酸っぱい「酸味(さんみ)」、苦い「苦味(くみ)」

甘い「甘味(かんみ)」、辛い「辛味(しんみ)」

塩辛い「鹹味(かんみ)」に分けられます。

 

例えば、酸味の代表的な食材には、レモンやトマト、梅などがあり、

皮膚や毛穴を引き締めて、汗のかき過ぎを抑えるなどの作用があると考えられています。

塩辛い鹹味の食材には、昆布や海藻などがあり、

体を潤し、便通をよくするなどの作用があると考えられています。

 

五味の考え方では、

それぞれの作用を生かして、食材を選んでいきます

 

薬膳は決して難しいものではありません。

身近なところから取り入れてみてはいかがでしょうか

 

※この内容は2021年4月に放送されたものです

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